『虎屋煎餅』焼型 年代不詳

2022.09.27

菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

『虎屋煎餅』の焼型(全長51㎝、煎餅部分の直径は13㎝) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。

かつて虎屋では、焼型を使って『虎屋煎餅』を焼いていました(現在は販売しておりません)砂糖、小麦粉、卵、牛乳を用いた甘みのある丸形の煎餅で、戦前から昭和の終わり頃までは、注文に応じ、おつくりすることがあったそうです。3種類の焼型があり、今回はそのひとつをご紹介しましょう※1

ずっしりとした重みのある鉄製の焼型は、生地を流し込み、挟んで焼く仕様です。焼き上がった煎餅の両面に模様が入るよう、片面には虎、もう一方には竹の葉を施しています。
これらは虎屋と縁のある富岡鉄斎による画です※2。勇ましくも愛嬌のある虎が目を引きますね。竹と虎のモチーフは伝統的な組み合わせで、虎屋の菓子井籠(せいろう)や、菓子の意匠、一部の掛紙などにも用いられています。

※1 上記ほか、京都東山の風景や、紫宸殿(ししんでん)を描いたものが残されている。
※2 『虎屋煎餅』は『鉄斎煎餅』とも呼ばれた。

平成8年(1996)の虎屋文庫資料展「菓子型の世界」展で再現した『虎屋煎餅』

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