『あじわい』No.231(2026 SUMMER)に寄稿しています
2026.07.06
掲載情報
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。
「願文(がんもん)」とは、神仏に願いごとを立てる時に書く文章のことで、虎屋には今回ご紹介する願文のほか、五代店主 光冨(みつとみ)、九代店主 光利(みつとし)のものが現存しています※。
十代店主 黒川光廣(くろかわみつひろ)の願文は文化11年4月18日に書かれたもの。本文には、代々毘沙門天(びしゃもんてん)を信仰しており、その御加護によって、宮中の御用を勤めていることに対する感謝の気持ちから、屋号を「虎屋」としたことなどが記されています。
毘沙門天は、福や財をもたらす七福神の一人。寅の年、寅の月、寅の日、寅の刻に生まれたといわれ、虎とゆかりが深いとされる神様です。
当時、虎屋は苦しい経営環境にありました。光廣は経営努力とあわせて、毘沙門天の力を借りてこの難局を乗り切りたいと思っていたにちがいありません。
※いずれも巻子本仕立てになっている。
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