『あじわい』No.231(2026 SUMMER)に寄稿しています
2026.07.06
掲載情報
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

東都繁栄京御菓子司(37.5×26.0cm)
拡大画像(無断使用を禁じます)
番付(ばんづけ)とは、大相撲における順位表で、力士を東西に分け、階級順に名前を書き連ねたものです。そこから転じて、寺社仏閣や祭り、温泉、職人などさまざまなものを題材にした「見立番付」が、江戸時代後期から近代にかけて盛んに作られました。
本史料は江戸の菓子屋の番付です。番付は格付けをするスタイルが一般的ですが、これは「甲乙不撰次第不同御用捨」とあり、店の優劣はつけず、有名店を並べたもののようです。
通常、勧進元(かんじんもと・興行主催者)の名前が書かれる中央下段には、金沢丹後、鈴木越後、越後屋播磨と大書されており、この3店が別格であることがうかがえます。
「蒸物」「団子」といった菓子の種類ごとに区切りがありますが、「牡丹餅」の欄に浅草の金龍山餅(きんりゅうざんもち)、両国の幾世餅(いくよもち)、隅田川の桜餅などが並んでいるのは、餡を使った餅菓子というくくりなのでしょうか。
残念ながら、今はなくなってしまった店や菓子ばかりですが、じっくり眺めると面白い史料です。
このほかにもさまざまな菓子屋の番付が作られ、現在に伝わっています。国立科学博物館で開催中の特別展「和食」では、菓子屋番付「東都流行御菓子繁昌競鑑」がご覧いただけます(~2024年2月25日)。
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