『あじわい』No.231(2026 SUMMER)に寄稿しています
2026.07.06
掲載情報
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

平成13年(2001)の雛折:12.3×12.3×7.5 (cm)
中の菓子は、左から『桃の里』『緑台鴾花(みどりだいときばな)』『仙寿(せんじゅ)』
*記事内の画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ
雛折(ひなおり)とは雛菓子用の折箱のこと。
虎屋では、昭和46年頃から平成18年まで、金属造形作家の永井鐵太郎(ながいてつたろう・1936~2021)氏にデザインを依頼していました。永井氏は毎年蓋と側面の絵柄を考案しただけでなく、自ら版を刷り、絵付けもしました(後年は印刷会社が請け負った)。
絵柄の中心となる内裏雛は、立ち雛と座り雛を年ごとに変え、背景は桃の花や扇、御所車(ごしょぐるま)などの雅びな意匠を組み合わせています。
同じデザインは1つとしてなく、毎年の発売を楽しみにされていた方もいらしたそうです。
なお、永井氏による雛折のデザイン画も残されています。台紙には配色や絵柄の違うデザイン画が貼り付けられており、代案も用意されていたことがわかります。
下の画像は、平成13年のもの。内裏雛の前には犬筥(いぬばこ)※が描かれています。
※犬をかたどった張子の箱。安産や生まれた子の健やかな成長を願って用意されたほか、雛道具としても用いられた。

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