尾形光琳 ―元禄の華―
2001.11.01

光琳好みの和菓子
国宝『紅白梅図屏風』、『燕子花 (かきつばた) 図屏風』などの作者として有名な尾形光琳 (おがたこうりん・1658~1716) は、華やかな元禄時代を代表する絵師です。
虎屋には光琳が、パトロンであった銀座役人、中村内蔵助 (くらのすけ) にお菓子を贈った記録が残っています。『諸方御用留帳』の宝永7年 (1710) 5月21日条によって、10種類ほどのお菓子をご注文いただき、届け先にて二重の重箱二組に詰めたことがわかります。
そのうち「色木の実 (いろこのみ)」と「友千鳥」は宝永4年 (1707) の『御菓子之畫圖』から当時の色形や材料を知ることができます。
「色木の実」はくちなしと小豆で着色した生地で、秋に色づいた木の実と葉を表しています。前述の史料によれば、なんと150個も注文されました。明治以降、実の方は作られなくなり、現在虎屋では同じ菓銘で葉のみを作ることがあります。また、「友千鳥」は、群れ飛ぶ千鳥に見立てて小豆の粒を散らした、蒸羊羹だったと思われます。
光琳と虎屋のあいだでどのようなやりとりがあって贈り物の菓子が選ばれたのか、気になるところです。

※この連載を元にした書籍 『和菓子を愛した人たち』(山川出版社・1,800円+税)が刊行されました。是非ご一読くださいませ。(2017年6月2日)
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